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第10号 相続手続 事例レポート

事例No.10 不動産ばかりの相続財産

Mさん30代が父親が亡くなったとの事で相談にみえられました。Mさんの父親は、多くの土地を所有していました。

Mさんから税理士事務所に依頼をいただき、財産評価を行ってみると、父親の相続財産が相続税の基礎控除額以上あり、2,000万円の相続税が発生する見込みである事がわかりました。しかし、Mさんには2,000万円を支払うだけの預貯金がなく、Mさんの父親も預貯金がほぼありませんでした。又、父親は生命保険にも加入していなかったため、相続税を払う資金がどこにもありません。

Mさんと相談した結果、まず銀行へ行き、借入の審査を行いました。しかし、審査が通らず、銀行借入は不可能となりました。次に不動産会社へ行き、相続した父親の土地を売却したいと相談をしました。しかし、買い手は見つかりませんでした。最終的に税務署へ相続税延納の手続を行い、それが認められたため、延滞利息を払いながら、毎月数十万円の返済をしていく事になりました。

もし、父親が元気なうちに相続税の節税対策をしていたら・・・もし、父親が生命保険に加入していたら・・・

そうしたら、Mさんの相続手続はもう少し楽になっていたかもしれません。

 

法定相続情報証明制度(仮称)

法務省は7月5日に相続手続きを簡素化する「法定相続情報証明制度」(仮称)を平成29年度に新設すると発表しました。現在は、被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類等一式を揃えた上で、同じ書類を管轄の異なる登記所や各金融機関にそれぞれ提出しなければならず、相続人の負担となっていました。新制度では、最初に書類一式を登記所に提出すれば、その後は登記所が発行する1通の証明書の提出だけで銀行や証券会社などで手続きができるようになります。

まだ発表されたばかりでどのような証明書かはわかりませんが、来年度からは相続手続きが少しは楽になるかもしれませんね。

 

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