第7号 父の相続をしていなかったために・・・
お母様が亡くなられたということで、村越さん(仮名)から、相続の手続きについてご相談をいただきました。
不動産があるとのことで「名寄帳」を確認したところ、土地の所有者が、お母様と10年前に亡くなられたお父様の共有名義になっていることがわかりました。
相続人関係を確認すると、お母様の相続人は、村越さんと5年前に亡くなった村越さんの弟さんのお子様。
お父様の相続人は、村越さんと5年前に亡くなった村越さんの弟さんの奥様とお子様という、ややこしい相続人関係でした。
不動産の名義変更については、お父様の分とお母様の分で相続人が違いますと説明し、お父様の分については村越さんの他に弟さんの奥様とお子様にも権利があるとお伝えしました。
「弟の嫁にもいくのか」と村越さんはとても驚かれていました。
遺産分割協議時に弟の奥様は権利を主張しましたが、話し合いの末、現金での解決となりました。
ご相談時に「不動産の名義変更はしなくても大丈夫と聞いたよ」とお話しする方が多くいらっしゃいます。しかし、今回のようにそのままにしていたばかりに困ってしまうケースも多くあるのです。
『財産が多い=もめる』 という訳ではない!!
平成24年度の最高裁判所のデータによると、遺産分割案件でもめている人の32%は、相続財産が1,000万円以下、43%は5,000万円以下の人です。
つまり、全体の75%は相続財産が5,000万円以下の人となります。
現在の相続税の基礎控除が5,000万円+1,000万円×相続人の数ですから、もめているケースのほとんどが、相続税のかからない人たちなのです。
「相続財産がないと思っている家庭ほどもめる」というのが現実です。
相続でもめるのは「金銭の勘定」ではなく「心の感情」であるケースが多いのです。
いったん「争族」となると、財産だけではなく、大切な家族をも失ってしまうことになりかねません。
相続でもめないためには、普段から、家族のコミュニケーションをよくはかり、互いの距離を埋めておくことがとても大切です。
記念日などに会う機会を増やすことなどから始め、エンディングノートを一緒に気楽に書くことなども良いと思います。
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